岡山県酒津公園雄北京ダック保護 2021-09-12
保護:岡山県会員林さん 林さん次男さん 相談者の方
保護者:林さん
お知らせ内容一覧
相談内容
今後のアヒルについて打ち合わせ
保護
診察結果
現在の様子
治療費用内訳
さよならジータン
岡山県酒津公園に立てなくなっている年齢不詳の白アヒルが1羽いるとフォームメールより相談がありました。いつも2羽で行動していたが1年前に死んでしまい、今現在は1羽のみ。市の公園では一切アヒルに関しては管理しておらず、貯水池には水利組合で建てられた浮き小屋があるとのことでした。
10日程前から池を泳ぎ回る事がなくなり、右足をかばってびっこを引くようになりました。立ち上がってもすぐ座り、浮き小屋か少し泳いで水辺のスロープで、ただじっとしています。餌が欲しい時は、それでも小屋から水に降りてきて投げた餌を食べたり、または水辺のスロープに置いてやったものを食べています。
近隣の私を含めた数人の方が餌をやっていますが、アヒルについて残念ながらあまり知識がありません。アヒルの病気についてネットで調べたりしていますが、個人で病院に連れて行くのは今現在難しい状況です。
足の痛みを軽減するために、ひとまず浮き小屋に人工芝を敷くことにはなりました。気休めかもしれませんが、最近飼料にドライの野菜を入れたり、ボレー粉という物も追加しようと思います。仮に関節炎の場合、市販の人間用の薬で代用できないでしょうか?
個人でできる事は少ないと思いますが、できる事があるでしょうか?
2021-09-07の様子
餌と呼びかけの誘導で、貯水池の中を約200メートル朝晩泳いで移動し、朝~夕方まで画像の自分で見つけた水辺の狭い場所で過ごし、夕方~朝までは動画の場所でじっとしています。浮き小屋(以前撮影)には、数日前からうまく上がれなくなりました。寒くなる前にこれも登り易くしてあげたいのですが、スロープ部分を改良したらよいでしょうか?聞いたところ、年齢はおそらく10才くらい、オスかと思われます。
高齢の域でしょうか? 今後年齢とともに動きも悪くなっていくのでしょうか?相棒をなくして一人ぼっちになってしまったがーちゃんですが、できる範囲で見守っていきたいと思います。
●関節炎の変形、高齢なようなのでこの場所にこのままは厳しいと思う。
●薬は炎症抑えと抗生物質になるが治るかどうか判断できない。
●折れている可能性もある。病院優先。
●左足関節炎の可能性あり、既に変形は強く体を支えられない状態に見える。
●眼脂も溜まっているようなので水に浮いて左足を持ち上げ目元をカイカイすることもできないのだと思う。
●両翼で体を支えているので羽根はすぐにボロボロになってしまう。
●人間用の消炎剤は犬猫でもアヒルでも代用はしない。
●この子の命を考えるならば「保護」が最優先。
岡山県会員の林さんが「脚が悪いと何かに襲われる可能性もありますしこのまま様子をみるのは可哀そうな気がします。」「シリュウ症なのか関節なのか診察してもらった方が良い。」「保護できれば治療を受けさせたい。」とのことで現地へ向かうことになりました。
診察中に左足の踵に小さな傷を見つけて踵の関節を触ったらゴリゴリした感触がありレントゲンを撮ってもらいました。 レントゲンでは骨、関節に問題がなかったので傷口から細菌が入って炎症を起こしているのだろうという事でした。 抗生物質と痛み止めの注射を一本打って頂いて明日から2週間痛み止めと抗生物質の小さな粒を飲ませる事になりました。 骨、関節に問題がなくホッとしました。
病院で名前を尋ねられ思わずジータンと命名しました。
2021-09-27
換羽で下半身はパサパサです。池で泳がせたりもするのですが換羽の加減かプカッと浮かず半分沈みそうな感じです。用事をしている時はこんな感じですぐに見られる所で遊ばせてます。
目の周りが涙で固まってしまうのですが指で擦って洗い流しています。
(※脚にトラブルがあり上手く立てないアヒルは羽根繕いがやりづらく目もカキカキできない状態でガビガビになりがちです)
保護をするために現地へ向かったときジータンは、水面ギリギリの草むらに隠れるように身を潜めていたようです。池の周辺を確認するとジータンの白い羽根の他にカラスの黒い羽根が所々に混ざって落ちていたとのこと。カラスは頭がいいです。弱って動けなくなっていくアヒルたちを見逃しません。羽根を毟り取りながら攻撃してきます。アヒルは水鳥の仲間なので泳ぎの名選手、グングンと潜水も得意なはずなのですが、脚の調子が悪くなり上手く立てない上に換羽で羽根が生え揃っていないジータンは、羽根にどんどんと水が染み込み最悪沈んでしまうというよくない状況でした。このプラスチックの浅い水浴び場は大羽根でよいしょっと自身のペースで移動可能で溺れる心配もありません。ゆっくりと療養中です。
2021-11-21
ジータン訪問
立てなくなったアヒルは常にお腹を地べたに付けたままになるので蒸れて床擦れのような状態になってしまいます。少しでも症状を和らげようと籾殻入りの専用クッションを作りジータンを乗せていました。脚にも負担が掛らずとても良いアイディアだと思いました。クッションカバーは洗ってまた使い、古くなった籾殻は土に還すとのことです。ジータンは大羽根を使い移動するため羽根の先が擦れてなかなか次の羽根が生えてこないようですが、ストローのような芯の先から新しい羽根が見えています。後ろに投げ出している脚には痛みがあるのか熱が感じられました。 西田
2021-11-24
心配なことにジータンが昨夜からご飯をご飯を食べなくなり嘴も冷たいとのことで、今現在ジータンの居場所にはエアコンが付けたままの状態でペットヒーターもあり温め万全で様子を見ていました。
「ヒーターの側に座ってジーッとしてます。 水をあげても飲まずご飯を手の上に置いてもプイッとソッポを向いて知らん顔してます。」
林さんは急遽夕方動物病院へ向かっています。
いつものように5時半頃、ご飯を水に浸しながらジャブジャブ食べていたのですが10時過ぎ日光が差し出したので抱っこして散歩に行こうと準備していたらジータンが眠るように旅立ちました。
ジータンの後頭部をかいてあげたり涙の跡をスポイトで流してあげると気持ちよさそうにしていてジータンの喜ぶツボを発見するのが楽しみでした。
林さんは床擦れが少しでも緩和できるようにとクッションやロープを利用してお腹が擦れないように工夫を重ねていました。保護場所の貯水地に10年ほど前から十数羽いたという仲間たちは既にいなくなり、たった一羽になってしまったジータン。白血病という診断を受けていましたが寿命だったのかもしれません。ジータンの最期の居場所はたくさんの動物たちが暮らす自然の和かい風が吹く場所でした。静かに目を瞑っているジータン。苦しくて痛いこともない、いつもどおりご飯を食べて眠ってしまいました。
保護アヒルたちは何を食べてどのような生活をしていたのか、実際には何歳なのかもわかりません。保護の後に治療を受けてもそこから回復するアヒルはほんのわずかです。保護アヒルのお世話をするわたしたちは、看取り役という悲しい現実も一緒に引き受けているということをわかっていただければ幸いです。
NPO法人あひるネットワーク
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