愛知県長久手市杁ヶ池公園アヒル保護

愛知県長久手市にある杁ヶ池公園のアヒル保護 2017-02-21

保護:愛知県永井さんご主人
新しい飼い主さん:永井さん(えりぴーさん)のち、あひるネットワーク会員

お知らせ内容一覧
保護までの経緯
保護時の様子
診察結果
通院経過
2017年
2018年
2019年
更新2020年
さよならメイちゃん
費用内訳

 


掲示板に相談

初めまして。愛知県長久手市にある杁ヶ池公園にどなたが放棄した大人のアヒルが現れて4年~5年ほどたちます。2016年9月頃から足を引きずりながら歩いていたので気にしていました。この1ヶ月は水辺で殆ど動きません。近づいても足が痛いのか逃げないので、パンをあげたら必死に食べていました。最近は池にも入って無い様子で羽根もお腹も真っ黒で以前よりも一回り小さくなったように感じます。まだ寒い日が続きますし、かわいそうで気になって仕方がありません。


保護時の様子

掲示板を閲覧していた永井さんのご主人が緊急を察知し、夜間にも関わらず急遽保護に向ってくださいました。
[永井さんより報告]

「アヒルさんは右足を外に出してひきずっています。シリュウ病ありです。目ヤニも結構出ています。震えていますが、病気なのか恐怖なのかはわかりません。ただ食欲はそれなりにありそうです。」

「アヒルさんは、ずりばいしている状況で立てない様子です。褥瘡にならないかが心配です。方向変換等はできています。もうすぐ5歳のアヒルが一羽おり、それで余計に感染症が心配な状況です。アヒル同士は全く別のところにいさせています。」


[愛知県会員けいさん(医師)よりアドバイス]

趾瘤はタオル安静であれば2週間ほどで改善してくると思います。引きずっている足は足関節か膝関節か、、、完全に回復する可能性は低いと思います。悪化させないようにコラーゲンやグルコサミンをしっかり与えて、関節が熱を持っているようであれば獣医さんで消炎剤等をもらって飲ませてあげるのがいいかと^^医療面でお困りの際はお声がけくださいませ!


警察へ移出物届け提出


診察を受ける 2017-02-22

①内臓系に大きな問題なし。感染症もおそらく大丈夫だろう。やや貧血だがおそらく栄養不足からきている。少々肺炎ぎみなのでキノロン系抗生剤服用

②レントゲンの結果関節がはずれている。手術はできるが歩ける保証はない。遺失物(落し物扱い)なので保護した私達のものに正式になるのが3ヶ月後ということで、それからでないと手術はできない。手術後は傷から糞が入り骨が腐ることが懸念される。

③反対の足は元気。確かに立とうとはする。何らかの補助をして広いところで飼うか、もしくは安静にさせるために狭いところで飼う。→本人は広いところに出すと動きます。動かなくても動いても、褥瘡が心配です。車椅子もどう用意していいのか思いつきません。そしてどちらがこの子にとって良いのか悩んでいます。

④これからは立てないため排泄物との戦いになる。→確かにそうだと思います。おすわりアヒルさんのうんちの処理の方法を教えて下さい。おむつのがよいですか?

⑤水浴びをさせてあげた場合、どのように乾かせばいいですか?乳児がいますので、ド ライヤーで乾かす等長時間かかる作業が困難と思われます。天気のいい日に日向で人工芝の上にいてもらうくらいしか思いつきません。


再診 2017-03-01

先生からはだいぶ体調良くなっていると言われました。体重は3.5㌔前後(女の子にしては重い気がするのですが、足が悪いので減量した方が良いですか?)目ヤニも減っています。抗生剤は終了となりました。

関節の手術に関して質問したところ、骨を定位置に戻すことはできるが、やはり動くようにするのは難しい(自信がないとのこと)。手術を行う利益よりリスクの方が大きいだろうとのこと。

アヒルさん本人は、脱臼しているはずの足で今日も少し歩いておりました。車椅子を将来的には考えたいですし、セカンドオピニオンも機会があれば受けたいと思っています。とりあえず一旦治療はこれで終了となりました。

名前はメイちゃん。会員永井さん宅で一時保護中です。


メイちゃんは、ご飯を食べて元気にやっています。幸い危惧していた褥瘡にもならず、お腹の羽もだんだん生えてきています。先日からうちのアヒルとも会わせています。とはいっても仲良くはしていません。

遺失物届けを提出した警察署より、「アヒルは長久手市では野鳥扱いになるので、元の場所に返して欲しい。」との連絡を受ける野外にいた鳥だから野鳥括りにされているのか、このように警察署によって対応が様々で困ることがあります。家禽でも野良として過ごしていたから野鳥扱いになるのでしょうか?言われるままにアヒルを元に戻せば死んでしまうでしょう。

愛知県会員けいさんが、名古屋市動物愛護センター、愛知県動物保護管理センターへ相談。そこから、愛知県環境部自然環境課へ。「アヒルは家畜伝染予防法の管理下にあるので、家禽であって野鳥ではないという認識です。」との回答をいただきました。

その通りだと思います。今まで十何年も行政側からは、「アヒルは野鳥ではないので管轄外。」と言われ続けていたので、各自治体で扱われ方が変わるなど納得がいきません。

翌日、尾張県民事務所環境保全課へ確認の電話を入れたところ、「不慣れな職員の誤った対応だった。」と説明を受け、それから県民事務所の職員が警察署へ事情を話し、「ご足労ですが、再度遺失物届けを出しに警察署へ出向いてください。」という結果になった。
2017-03-25


永井さんが診察を受ける前の2/25に提出した遺失物届けは既に「削除扱いにしてしまった。」らしく、正当な届出を勝手に処分され、再度こちら側が出向いて提出することになるとは・・・。

保護時のような状況にならないよう、このまま会員宅で療養を続け見守っていきます。完治しても元いた場所には戻せませんのでご理解のほどよろしくお願い致します。アヒルは飛ぶことができません。心無い飼い主にこの公園に遺棄されたメイちゃんは怪我を負って苦しんでいました。

補助カートのハンモック版



2018年


[会員からのアドバイス]
「大豆粉、試してくださいね。あと、貧血状態(栄養失調)の場合、カルシウムが溶け出すことが多いようです。ボレー粉でカルシウムを補うこともオススメします。」





2018-03-25
メイちゃん、回復傾向です✨ありがとうございました。足の傷の方も、色々試した結果、改善傾向と思いますので、もう少し回復してきたら、また詳しく投稿させていただきます。


お座り状態が続くメイちゃん
2018-12-10 お腹を付けないよう毎日工夫が必要です。

お座りが続くメイちゃんにはペットシーツの他、このような補助グッズが必要となります。
★靴下
(片足が常に外に出てしまっているので、ガードと保温のために履かせたりします。)

★創傷治癒用クリーム(ヘパリン類似物質、ビタミンE製剤、メディカルアロマ製品)
★人工芝
★衣装ケース
★レンガ(メイちゃんの足の枕の土台にしています。)
★プラダン(メイちゃんのケージに貼って、ぶつかっても怪我しないようにしています。)

補助カートのハンモック版を利用したり、ケージ内では、プラダン(ダンプラ)というプラスチック製のダンボールを利用して、メイちゃんがぶつかっても怪我をしないように守っています。レンガを足枕の土台に使用。そのままでは固いのでペットシーツや布を巻いて、更に防水のためにビニールで覆っています。メイちゃんのキック力が強く、枕が動いてしまうためです。


2019-09-21
メイちゃん、黒い目ヤニが続いており7月、9月と点眼処置を受けています。

20191106 通院目やに点眼処置
20191124 メイちゃんのいた杁ヶ池公園調査 渡り鳥や野鳥のみ確認

2020-01-23 再診

血便、嘔吐、グリットインパクション
「今日の朝に血便、昼頃に嘔吐したので、診察を受けてきました。レントゲンの結果、砂嚢と腺胃にかなり沢山の砂利?が見つかり、グリットインパクションと診断され、過剰な砂利による出血と嘔吐と考えられます。(メイちゃんはハンモック生活なので、地面由来ではなくフード由来と考えられます)
できることは、吐いたり、排泄したりする事で体外に出るのを気長に待つ事ということでした。フードは砂利等の入っていないペレット、あとはトマトや魚肉ソーセージ、かまぼこ、ドッグフード等の、柔らかい、じゃりじゃりしていない物を与えるとのこと。
吐いても食べるなら与え続けて、食欲不振なら病院で強制給餌するので来るようにと言われました。補液と抗生物質、ビタミン剤注射をしてもらい、抗生物質の飲み薬が処方されています。
グリットインパクションで命を落とす子もいるそうなので心配ですが、トマトやキクスイのHOTペレットを元気よく食べてくれたので、メイちゃんを信じてできる限りフォローします。
メイちゃんの骨折している足と反対側の足関節も壊れかけている事、肛門付近の形も変形してしまっている事も判明しました。今回のグリットインパクションもそうですが、メイちゃんは骨折によって運動が制限されて様々な症状に苦しんでいます。思っても仕方のない事ですが、メイちゃんを遺棄した元飼い主を許せない気持ちでいっぱいで、悔しく思います。」

2020-01-31 再診
「なかなか砂利系が入っていないフードを探すのは難しいのですが、獣医さんの見立てでは、完璧に砂利を除去する必要はないかもしれないので、イちゃんに合った食事内容を試行錯誤していこうと言われました。

試しているのは、魚系ドッグフードとキクスイチャボ飼料(普通サイズのグリット込み)の混合です。あとはペレダック(細かく粉砕したグリット込み)も割合を工夫してあげていこうかなと考えています。

キューカン鳥フードは、獣医さんにグリットインパクション真っ最中の子にオススメと言われて購入しました。」

2020-05-13
メイちゃんの足の調子的に、旧式ハンモックの方がいまは合っているようなので、そちらで作ってみました。

2020-06-20
「日中、目を離したすきにカートから飛び降り、物置と壁の間にはまりこんでしまい、翼の肘の辺りを大怪我してしまいました。

本当にすみませんでした。緊急で麻酔をかけての縫合手術をしました。夕方は元気にご飯を食べてくれています。」

お座りアヒルのケアは本当に難しいです。大人しくカートに乗ってくれているときは安心なのですが、足の代わりに大羽根を使い移動しようとするなど動き回ると翼に怪我を負ってしまいます。縛り付けておくこともできず、でもアヒルは動きたい。大羽根で動き回れば擦れて出血してしまいます。そのままの姿勢でお腹を付けていれば床擦れになり、動けば大羽根の先が擦れてしまう。難しいです。

2020-06-26通院
2020-07-03通院
2020-07-19通院
「怪我はなかなか良くもならず悪くもならずです。 先生はカサブタ(壊死組織も含まれる)の部分を取り剥がしたくなるが待つしかないという見方です。 褥瘡治療に詳しい夫が見るに、壊死組織が付着したままになってるかもとの事です。逆に剥がさない限り皮膚の正常な再生は難しい。けれど麻酔も怖いし人間と違って剥したあと、清潔な湿潤環境を保つのが難しいので先生のように悩んでいます。 感染の兆候がないか注意してみます。 目やにがまたひどくなっており、 先回目薬を処方してもらったのですが 一向に改善せず。 もう一度内服(以前効果があった抗生剤バイトリルのジェネリック)を一週間試します。 また一週間後受診予定です。」

2020-07-26通院
「黒いカサブタがバコッと取れました。 その日獣医さんが休みだったのもあったのですが 夫が見たところ、 壊死組織が外れて 創傷治療には好都合と思われ、 ガーゼと医療用フィルムで 湿潤療法スタートしました。 (羽が生えているため、どうしても完璧な湿潤環境は作れないけれど、やってみる事にしました。 また人間と違い、清潔に保つのは難しい為、毎日交換。 フィルムの上からくっつく包帯で固定し、更に靴下で翼の付け根全体をカバー。 )


「獣医さんの見立てでは 黒いカサブタがバコッと取れたのは想定内であり、 傷も見たところ良い感じ。湿潤療法続けても良いし、このまま放置でも問題なさそう。抗生物質ももう必要ない。 もし膿んだりまた傷ついたりしたら来院してくださいと言われました。 羽根が生えることは恐らくなく、 もしかしたらこの状態キープになるかもしれない。 目やにについては、結膜炎等もなく目自体はキレイ。 翼の怪我も改善しているので 水浴びしながら、目の周りのケア頑張っていきましょうとの事でした。 しばらく傷からの浸出液は多かったですが(特にそれ自体は問題ありません)、落ち着いていきました。」

「感染予防の為、ガーゼからアクアセル(銀による抗菌効果のあるパットで、湿潤環境を最適に保つ効果あり)に切り替えました。」
【家で工夫した事】
・日光浴以外は室内で過ごす(熱中症予防と、目やににコバエがかなり集るため。一時期、目がコバエの集団に縁取られてしまったくらいでした‥)
・水浴びを2日に1回。タオル&ドライヤー乾燥。
・ゴハンにHOTペレット(免疫力アップ)、 すりゴマ(目やに改善)、エゴマ(n-3系脂肪酸を摂って炎症を抑えるため)、 ネクトンQ(療養期のサプリメント) を加えました。

「今週に入って、目やにがやっと改善してきました。 傷の方は、壊死組織がまた付着してしまった感じで、恐らくもう一度リセットになると思いますが、 傷の面積は半分くらいに縮小したので、諦めずに頑張りたいと思います。」

2020-08-22
今日14時頃に嘔吐、 その際にゴハンを食べたそうにしたので、少しだけあげたら また嘔吐。 車で病院に向かっている途中(16時頃)に 吐血しました。 病院で補液と止血剤を点滴して、 明日再診です。 飲食禁止で 出血がどうなるか確認するそうです。


2020-08-23 メイちゃん永眠

『メイちゃん』

8月23日の朝7:15頃
メイちゃんが虹の橋を渡りました。
夜間にも吐血したようだったので、病院に向かう準備をしていた時でした。
まるで「あ!こいつら病院に行く気ね!そんなに無理しなくていーわよ!」って
私達を気遣ったかのようでした。

座ったまま、壁におでことくちばしをくっつけたポーズで静かに眠りにつきました。

メイちゃんの死を無駄にしたくなかった、
そして同居のアヒル達の事も考え
原因をつきとめるため
かかりつけ医に解剖を依頼しました。

かかりつけの先生が「永井さんも立ち会いで行いましょう」と仰ったので
夫と二人で
メイちゃんの解剖に立ち会いました。

家族の解剖に立ち会う事は
とてもとても辛いです。
死別の悲しみや疲労感は倍増します。
それでも遺された子たちの事を考えると
原因を追求するため解剖に踏み切る以外ありませんでした。

メイちゃんの体の中はとてもきれいで、
何でこれで死ななきゃいけないんだろう‥と
とても悔しく思いました。
症状が急性のメガバクテリア症に似ていたのですが、胃も正常でした。

ただ、大腸が真っ赤になるほどに出血を起こしていました。

急性の感染性大腸炎との診断でした。
顕微鏡検査もしたところ、
老化によって自身の免疫が常在菌に打ち勝てなかったのだろうとの事でした。
吐血の原因は不明でした。
もっと詳しい検査をするなら
遺体を専門機関に送る必要があるとの事でした。
けれど私には解剖に立ち会う事で精一杯でした。メイちゃんと離れたくなかったのです。

メイちゃんの解剖に立ち会って
最後の最後、運命をわけるのは
免疫とも強い関連のある腸内細菌叢の状態なのかもしれないと思いました。
先生からの勧めもあり
その日から我が家のアヒルたちには
乳酸菌を与えるようにしています。
乳酸菌は人間用でも問題ないと言われました。

「メイ」という名前は
弱っていたメイちゃんをレスキューした映画好きの夫がつけました。
映画「コマンドー」の登場人物メイトリクスのように、
ズタボロ泥んこでも
強く生きてほしいという願いをこめて。
名前の通り、生き抜いてくれました。
「美人で強い」メイちゃんは
私にとって、同性として憧れの存在でした。
亡くなる前日の夜、
私の右腕に
メイちゃんが首を優しく絡めてきました。
「ありがとね、大好きよ、私も離れたくないわ」って言われた気がしました。
メイちゃんの介護、もっともっとしたかった。
メイちゃんと家族になれて、

本当に幸せです。

「メイちゃんは私の宝物です」

カートに乗って足をカキカキしているメイちゃん

長久手市市民記者ブログで「冬の杁ヶ池公園バードウォッチング」というファーストサーブさんの投稿の中にメイちゃんの画像がありました。2015年です。
公園でうずくまって動けなくなっているとの相談があった2017年より2年前の元気なときのメイちゃんがいました。

 

メイちゃん治療費内訳

補助サポートカート制作費用

お座りアヒルの補助サポートカートプロジェクト

収支につきましては、会計報告をご覧ください。
会計報告