アヒル(家鴨)は人間の側で暮らすペットとして歴史が浅く、人に飼われるということは、ペットとして生涯を共にするのではなく、農家の庭先で鶏やチャボたちと土や草を食み、野菜屑を貰い、弱れば絞めて食べられるというように家禽(家畜)として人間の側で暮らしていました。
家禽として出荷されていたアヒルが、ペットショップやネットで販売されるようになり、飼育スペース、水場、餌、鳴き声、糞の始末など、ペットとして家庭での飼育情報がほとんどなかった為、成鳥となったアヒルを池や川へ遺棄するケースが増え続けました。
また水場の無い地上で暮らすことに慣らされていない為、脚のトラブルで歩けなくなるケースが多くみられました。
怪我をしたアヒルや野外で困っているアヒルを助けたい、そしてそのようなアヒルを増やしてはいけないという思いから、アヒルを飼っている仲間が発起人となり2003年に非営利団体としてあひるネットワークを設立しました。
私たちは、野外に居るアヒルたちの調査・保護。新しい飼い主さん(里親さん)探しのサポート。
病気、生活、食べ物などをまとめた情報を公開。ペットショップへ向けて、アヒルの扱い方・飼い方の呼びかけ。掲示板やフォームメールからの相談・回答をおこないながらも、感染症などの病気についても勉強を進め、野外にアヒルを遺棄しないよう呼びかけを続けています。
アヒルを既に飼っている方、これから飼いたいと思っている方にも「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)の愛護動物にはアヒルも含まれていることを認識してもらい、飼い主はペットが命を終えるまで適切に飼い続ける責任があること。(『終生飼養』の責任)
ペットを取り扱う業者は販売時に飼い方をきちんと伝えて欲しい。(『現物確認及び対面説明』を義務付け)
災害時の避難対策立てる。(都道府県は、動物愛護計画に『災害時の対応』(飼養及び保管)について記載する)
餌や水を与えない、怪我や病気を放置する、不衛生な場所で飼うなどは虐待で違法になることや、広々とした池や川にアヒルを自由にさせてあげると間違った解釈をしてアヒルを放すことは遺棄という違法行為になるなど、動物愛護法をきちんと理解してもらい、アヒルも犬や猫同様人間と共に暮らすペットで家族であることを伝えていきます。
私たちは飼育の経験を蓄積した知識を提供できるボランティア団体です。
アヒルが本来の生命を全うできるよう、安易な気持ちで飼われてしまう方たちからの遺棄防止、人間の勝手な行いで生命の危険にさらされない為にも、飼い主の育成に力を入れ、より多くのアヒルの幸せを願い、活動の幅を広げたいと特定非営利活動法人の認証を試みました。
多くのアヒルを保護してきました。どうしたらアヒルの病気が軽減できるか、そしてアヒルを飼う方たちの飼育意識のレベルをあげていくことも重要だと認識し、これからもアヒルに携わり、経験を生かしながら活動を続けていきます。