アヒルの飼い方・ご飯(雛、中雛、成鳥)

アヒルの飼い方(雛)

刷り込みという言葉をご存知でしょうか?雛はあなたのことを親だと思い懐いて慕ってくるでしょう。あなたの姿が見えなくなると、「ピーヨピヨ。」と鳴いて探し回り不安そうにします。アヒルを雛から飼う場合は、日中も世話ができる環境が好ましいです。家族と一緒にお住まいの方は、協力をしながら飼うことができるかよく話し合ってから雛を迎えてください。

アヒルの雛を飼う環境

ミカン箱くらいの箱を用意しましょう。雛が飛び出さないように金網などでふたを作ります。アヒルは生後3週間ほどは体温調節ができないので、ペット用ヒーターなどの保温が必要となります。底には新聞紙などを細く裂いたものを敷いて防寒の工夫をしましょう。水をこぼしたり糞をしたりとすぐ汚れるので、こまめな掃除が必要です。雛の様子や行動をよく見て温度が適温かどうか判断しましょう。

水浴び

孵化後3週間は体温調節ができないので、水浴びはできるだけ控えた方が良さそうです。水入れなどに入ってしまったり、濡れてしまった場合は、すぐにタオルなどで乾かして温めてあげましょう。間違っても一緒に湯船につかるなどしないようにしてください。(お湯は羽の脂分を奪ってしまうので溺れてしまいます。)

餌 

陶器などの底の浅い餌入れ(雛が乗ってもこぼさないようなもの。)に水とフードを一緒に入れると食べやすいようです。水だけ入れる水入れも置いておきましょう。雛に大量なカルシウムを与えないように気を付けてください。

主な雛の餌

ひよこの餌雛のフードはペットショップなどで販売されています。
雛のうちから野菜を食べることに慣れさせると良いでしょう。
・青菜全般ですが、雄は若干嫌がる傾向があります。
アヒル・水鳥用ペレットは、「Zoo Food水鳥」/日本農産工業TMfactory 、株式会社キクスイさんで購入できます。水で溶いて柔らかくして食べさせます。
鶏用の陶器製の水入れはこぼさず安全です。ペットショップで購入可能。水の分量が確認しづらいので頻繁に確認した方が良さそうです。上記の主食と一緒に小松菜やチンゲン菜などのアクの少ない野菜を細かく切って食べさせます。雛のうちは消化作用が発育途中なので、生魚などが控えておきましょう。

日光浴 

丈夫な骨と体を作るには日光浴は欠かせません。こまめに日光浴や土いじりをさせましょう。土いじりでは、ガラス片などを飲み込まないように安全確認が必要です。土いじりはミネラル補給にもなります。

雛は体が小さく襲われても抵抗できません。雛のうちは昼間でも猫・カラス・蛇などの被害に遭うケースが多いので、日光浴をする場合は目の届く範囲で飼い主さんは側にいてください。特にカラスは上空から狙っているので注意が必要です。室内で日光浴させる場合(特に夏場)は、体温調節できるように日陰を作りながら日光浴をさせましょう。日差しがあたり過ぎる場所だと、熱中症の心配があります。

アヒルの飼い方(中雛)

そろそろ体温調節ができるようになってきた生後3週間頃。黄色い産羽が抜け落ち白い羽が生えてきます。

アヒルの中雛を飼う環境

庭などでの放し飼いはまだ早い時期です。

餌 

今までのフードに、成鳥用を半分混ぜて慣らしてみましょう。最初は今までどおり水に混ぜて、徐々に水と分けて与えてみてください。(どうしても水とでないと食べない場合は水と一緒でも大丈夫ですが、水と混ぜた餌は夏場に腐りやすいので、分けて与えるのに慣れさせることをおすすめします。)


改定:以前「煮干を塩抜きしたもの(ぬるま湯に30分ほど浸けて塩分を抜く)や、干しエビなども混ぜてあげます。(大さじ3杯くらい)」と記載をしていましたが、その後海の魚の脂が脳障害のリスクを高めることがわかってきました。干しエビも特に与えなくても良いです。
煮干しは川魚の物を与えてください。野菜も欠かさず食べさせましょう。生魚などは、成鳥(生後8~9ヶ月)になるまで控えましょう。

日光浴

発育途中の中雛、もちろん日光浴は欠かせません。引き続きこまめに日光浴をさせて土いじりをさせましょう。嘴でミミズや虫を探すようになります。

アヒルの飼い方(成鳥)

アヒルを飼う環境

賃貸住宅にお住まいの方は家主へ許可を得てから飼育してください。糞や餌、水などで小屋は湿気が多くなります。汚れたら掃除をして常に清潔に乾燥を心掛けてください。水が大好きなので、飲み水は頻繁に交換してあげましょう。

室内飼育例

風通しの良く清掃しやすい場所での飼育が良いでしょう。(室内飼いをする場合は、日光浴ができる場所も確保しましょう。床がタイルやフローリングの場合は、滑ったり足の裏を傷つけてしまうことがあるので注意してください。人工芝やお風呂マットなどを敷き、足に負担をかけないようにします。藁や牧草に糞をするとカビやすいので、清潔に保つようこまめに取り替えが必要です。

水浴び

室内飼い例

アヒルはきれい好き。自由に出入りできるプールがあれば喜びます。出入りするときに足を傷めないように段差やスロープを作り出入りしやすく工夫をしましょう。
水浴び場を作れない場合、

室内飼い例お風呂場で水浴びをさせることもできます。

室外飼育例

土いじり中

日当たりが良く風通しのある場所で、直射日光を避ける木陰も用意してください。アヒルは土いじりが大好き。庭などで放し飼いをする際は、ガラスや異物が落ちていないか点検をしましょう。外敵から守るために柵を造ったり、金網を張ったりしながらアヒルの安全を守りましょう。

水浴び

ホームセンターでも購入できる、セメントをこねる容器(プラフネ)などを利用して水浴び場を作ります。鯉や金魚がいる庭の池でも大丈夫ですが、池から這い上がり羽繕いができる中ノ島(陸)を確保しましょう。アヒルは尾っぽ(尾脂腺)のあたりから出る脂を嘴で体中に塗りながら羽根を整えます(羽繕い)。健康で若いアヒルは脂の出る量も多いのですが、体調が悪かったり年配になってくると、脂の出が少なくなり水弾きが悪くなってしまいます。羽根に水が浸み込んでしまうので気を付けてあげましょう。足が付かない水場だと沈んでしまう恐れがあります。

フネフネで水浴び
フネで水浴びフネで水浴び

就寝場所

お留守番中夜間にイタチや狸などの外敵に襲われる心配があります。できれば玄関や夜間だけ室内に入れることをおすすめします。難しい場合は、小屋を頑丈にして安全な寝床を確保してあげて下さい。地面を掘って侵入しようとする外敵もいるので、地面をそのまま利用するのは避けた方が良さそうです。外敵の注意

餌 

古来より家禽として飼われていたアヒルは、人間の側でのペットとしての歴史は浅いため、長生きできる飼料の研究・開発はまだ十分におこなわれていないようです。そのため、アヒルにとってどんな食生活が一番良いとは言い切れませんが、獣医師さんから得た情報やアヒル飼いさんからの意見をまとめました。

栄養バランス

他の動物と同じで長生きのためには太らせてはいけません。肥満は肝臓等を悪くさせ、元々トラブルを抱えやすい足に負担をかけます。発情を促進することにより生殖器系の病気につながってしまいます。カロリー・脂質・蛋白質・糖質を少なめにし、ビタミン・ミネラルを充分に与えましょう。そのためには緑黄色野菜を中心に野菜を多く与えることを心掛けてください。海外の研究では非産卵期の成鳥の場合、飼料中の蛋白質は13~14%(水分13%のときの重量)が良いとも言われています。
※産卵や換羽時に必要な動物性たんぱく質について(近日詳しくお伝えします。)

ペレットと配合飼料

家禽用の飼料には主にペレットと配合飼料があり、それぞれに良し悪しがあります。ペレットは新しいタイプの飼料で、総合栄養食として製造されている商品が多く、配合飼料に比べると太りにくいという利点はあるのですが、歴史が短くメーカーもデータも少なく、高価で店頭では手に入りにくいという欠点があります。ペレットを使用する場合でも野菜は欠かさず与えましょう。通信販売では以下のサイトで購入できます。

「ペレダック」は鶏類・アヒル等の水鳥・その他キジ科の中ビナ~成鳥の総合栄養ペレット。ペレットサイズは直径2mmと4mm。
「ペレダックR」は鶏類・アヒル等の水鳥・その他キジ科の中ビナ~成鳥のペレット。魚粉不使用。ペレットサイズは直径4mm。(写真)

株式会社キクスイさんで購入できます。

Zoo Food水鳥「Zoo Food水鳥」/日本農産工業
水禽用の飼料で、水に浮きます。魚粉不使用。ペレットサイズは5mm。
TMfactoryで購入できます(成分表・原材料の説明有)HP改定中

「Mazuri 5642(Waterfowl Maintenance)」/マズーリ
海外製の水鳥用飼料。Mazuri社のHP(※英語)のWaterfowlの中に成分表、原材料の表示があります。

こんぱまるさんのオンラインショップ

配合飼料はホームセンターや大型ペットショップ等で比較的安価で手に入りますが、野菜とのバランスに注意して太らないように気をつけましょう。配合飼料を使用する場合は鶏用のもので構いませんが、「産卵用」「卵をたくさん産む」という表示がある飼料は避けて「愛玩鳥用」と書いてある飼料を選ぶと良いでしょう。

その他

その他にも栄養バランスを考えて色々工夫しましょう。野菜にしても何にしても大切なのは、ある種類を大量に与えるのではなく、色々なものを少しずつ与えることです。それが栄養バランスの取れた餌と言えるでしょう。アヒルの好みは様々ですから色々試して好物を見つけてあげて下さい。米ぬかやハトムギ・キビ・キヌア・アマランサス等の雑穀類を飼料に混ぜるのも良いでしょう。

魚粉等の動物性蛋白が含まれていない飼料を使っている場合は、ペット用煮干をはじめ、エビ・ドジョウ・キビナゴ等の動物性のものを少量与えましょう。
養鶏場では飼料中の魚粉の割合は通常2~8%(水分13%のときの重量)程度だそうです。

産卵期や脚弱のアヒルには少量のボレー粉(カキ殻)等でカルシウムを補うと良いでしょう。飼料や野菜の種類によっては、非産卵期で健康であってもごく少量のボレー粉を与えれば脚弱予防になります。

ただし、ボレー粉はカビが生えやすいので保管に気を付け、着色していないものを選びましょう。鳥用のサプリメントも売られていますが、与えすぎはビタミンやミネラルの過剰症になるので容量に注意してください。

与え方

毎日何種類もの野菜を用意するのは大変なので、日替わりでいろいろな野菜を試してみてください。野菜は小さく刻んであげましょう。野菜をどうしても食べない場合は、ミキサーで細かくして好んで食べる飼料に混ぜて食べさせてください。それしか食べるものがなければ仕方なく食べるでしょう。ペレットを食べない場合も、水に溶かすと食べる場合があるので工夫をしましょう。

餌には水を混ぜずに与えるほうが良いですが、上記のような理由で水に溶く場合は、痛みやすいため短い時間で食べ切るようにしてください。朝晩と食べ切る量を与えるのが理想的です。鳥はカビに弱いので必ず清潔な容器を使い、残した餌は必ず捨てましょう。

適正な量はアヒルの体重によって違います。病気の発見のためにも、毎日食べる量に注意をしながら、こまめに体重を量り変化に気を付けてください。なお、夏は冬ほどにはエネルギーを必要としないため、量を減らすなど調整しましょう。

雄と雌を一緒に飼育する場合、雄は雌に遠慮をしてほとんど食べていない様子が見られます。食べ物の嗜好が違うこともあり、器も分けて別々に与えた方が良いようです。

あげてはいけない食べ物
・加熱したでんぷん類(炊いたご飯、パン、麺類、菓子、芋類)※そのう炎の原因になります
・チョコレート
・人間用の、自然界にない状態のほとんど全ての食べ物
・タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなど
・アボカド、ケール ※ケールは青汁に入っています
・ゴボウ
・生の大豆
・芽キャベツ
・リンゴの種 ※他、果物の種は有毒のものが多いため

ニンジンは加熱したほうが消化しやすいようです。
ホウレンソウ、クレソン、からし菜等のアクが強い野菜やバナナはシュウ酸が多いので、大量には与えないようにしましょう。

日光浴

成鳥になっても日光浴は欠かせません。雨の日でも土いじりに夢中になります。

※室内で日光浴させる場合(特に夏場)は、体温調節できるように日陰も作り日光浴させましょう。日があたり過ぎて熱中症になる事があります。

季節の変化や注意事項

冬と比べると、餌は二倍くらい食べます。産卵などに備え準備をします。
野菜を沢山食べさせましょう。改定:以前ここに「煮干(塩抜きした)や干しエビなどカルシウム補給も忘れずに。」と記載していたのですが、海の魚の脂は脳障害のリスクを高めることがわかってきました。煮干しを与える場合は、川魚の物を与えてください。

子供を増やすのによい時期です。(お見合いするならこの時期かも…)
ハコベ・ツユクサなどの雑草も食べます。(経済的?)

ハコベ ツユクサ

アヒルは汗をかけません。暑いとハァハァと口を開けています。水を沢山飲ませて日陰が確保できているかチェックしてください。自由に水浴びができない環境にある場合、いつもより多めに水浴びさせてあげましょう。
室内飼いの場合は、扇風機をかけるなど涼しく乾燥した環境作りをしましょう。
餌の混ざった水や小松菜などは腐りやすいので、下に保冷剤を敷くなどして腐ったものを食べさせないように注意してください。 アヒルの暑さ対策
夏になると換羽(全身の羽が抜け変わること)がはじまります。
掃除が大変な時期になります。がんばりましょう。 換羽のアヒル


冬に備えて食欲が旺盛になります。人間にとってもアヒルにとっても、比較的過ごしやすい季節です。

屋外飼いの場合は、北風が小屋に入り込まないようにビニールシートなどで風よけを作ってあげましょう。日光浴をしっかりさせましょう。