恐竜の呼吸「鳥並み」に発達…米大学、骨の構造で解明
鳥類が持つ効率的な呼吸の仕組みを、その祖先とされる恐竜たちもすでに身につけていた可能性の高いことが、米オハイオ大などの研究で分かった。アフリカ・マダガスカル島の約8400万~7100万年前(白亜紀後期)の地層から見つかった肉食恐竜の化石を調べ、骨の構造から突き止めた。14日付の英科学誌ネイチャーに発表する。鳥類は飛行という重労働をこなすため、吸い込んだ息を蓄える「気嚢(きのう)」という組織を持ち、新鮮な空気を絶え間なく肺に送り込んでいる。気嚢は背骨などの周辺にあり、空気の通り道が骨の内部を走るため、鳥類の骨は空洞が多い。
研究チームが、原始的な肉食恐竜であるマジュンガトルスの化石を調べた結果、鳥類に似た空洞が恐竜にもあったことが分かった。羽毛を持つ恐竜化石の発見などから、一部の肉食恐竜が鳥類へ進化したという説が有力になっているが、呼吸法も恐竜の時代に進化していたことを示唆する。国立科学博物館の真鍋真・主任研究官は「気嚢によって、肉食恐竜は大型化や俊敏な動きが可能になり、これが鳥に なって羽ばたくという高い運動能力を維持するのに転用されたのではないか」と話している。
2005.7.14 読売新聞より
鳥の体では他の哺乳類動物と異なった機能、気嚢、そ嚢が備わっています。
そ嚢と呼ばれる消化気管について
歯の無いアヒルは、食べ物をよく噛むことができません。そこで食べたエサをそ嚢に一時的に貯留しておきます。そ嚢とは、食道壁の一部が拡大した憩室です。アヒルの舌の下部に唾液腺があり、エサは唾液と共に食道を通り、一旦そ嚢へ蓄えられます。
胃が三つ?
そ嚢
前胃そ嚢とさ嚢の間
さ嚢筋胃 消化・分泌を行う筋肉でできている胃、固いものはここで消化される
「お腹パンパンだぃっ!」 食後の中雛たちのそ嚢のふくらみ
さてニュース記事にもなっている気嚢ですが、肺の周辺に袋のようなものが沢山ついています。
<気嚢の働き>
①体を軽くする
②呼吸を効果的に行う
③体内で発生した熱を冷却する
※体温調節
鳥は汗腺が無い為、汗をかきません。熱が体内に溜まって体温が上がってしまうのを防ぐ為、気嚢に外気を送って体温調節をする。
胸郭の動きで吸入された空気は、気嚢へと送られていきます。気嚢の袋はポンプのような役目をしています 。
黄色部分 肺
水色部分 気嚢