学校飼育・飼育状況見回り

学校飼育の見回り、触れ方 2016年3月1日栃木県壬生町ありんこ保育園(栃木県会員軽部、西田)

学校でのアヒルの飼育状況を知るために、栃木県内のありんこ保育園へお邪魔しました。園長さんの方針で園内の遊具は木製が多くすべて手作り、園舎は平屋で太陽の光がたっぷりと降り注がれ、どこか懐かしい雰囲気があります。

動物の世話を主に任されているのは31名の年長さんたち、園内にいる動物たちはヤギ、ヒツジ、犬、猫、ウサギ、鶏、うこっけい、アヒルです。その数は1頭2頭、1羽2羽だけでなく、牧場にやってきたかのような数でした。

この多くの動物たちの小屋掃除はもちろんのこと、驚いたことにご飯作りから分担され任されています。園児がまな板を敷き、包丁を持って野菜を刻んでいました。そして使った容器や包丁も自分たちで洗います。
真剣に取り組んでいる子供たちを見守りながら手伝っている先生方も素晴らしいです。
 

飼育小屋に入った長靴は消毒液で殺菌、徹底しています。1時間以上かけた作業が終わるときちんと小屋に鍵をかけ、やっと遊ぶ時間がやってきました。素足で竹馬に乗っています。これも手作りでした。

「私たちもお世話してみたい。」と、憧れている年少さんたちは、年長さんの姿を見て学び、自分たちが年長になったときにはリーダシップを取りながらお世話をする。このように26年間飼育は受け継がれてきたようです。

年度が替わる4月頃は発情期を迎えているアヒルたちは、新しく年長さんになった園児たちに向かっていくこともあり、なかなか抱っこやスキンシップをとることが難しく、アヒルは園児たちにとって怖い存在に・・・。
「モップを向けると防御できる」と言い伝えられているらしく、アヒル小屋に入るときにはモップを盾に入室。

確かにオスは、メスがいてもいなくても飼い主さんのことが大好きで、皮膚が見えている膝の裏や腕を噛みつくことがありますね。またとても攻撃的になったりで。学校飼育としてのアヒルは小学校の低学年くらいまでは難しいかもしれません。噛み付かれ、追い回されて手に負えない存在になってしまう可能性もありますね。

「アヒルの接し方がわからないだけで近寄れないのかもしれません。」そのようにおっしゃってくださったので、少しアヒルについてお話しさせていただきました。

アヒルにはにんげんがとてもおおきくみえるよ

「アヒルはあしがよわいよ。おいかけないでね。おなかやあしにケガをしていないかな?」

先生方には感染症についての説明とアヒル飼いになる本を。

26年間代替えを繰り返し、今現在アヒルは2羽のオスのみ。3羽いたときには1羽が羽根を毟られるほどの集中攻撃にあったということで、今の状況でメスを迎えるとメスの負担になるので控えた方が良いと伝えました。

・1羽が羽根に艶が少なく、嘴も薄い黄色だったので注意が必要。

・飲み水入れをバケツに変更。(深い方が目や鼻が洗えて一石二鳥)

・炊いたお米やパンはご飯に混ぜない。

小屋の傷んだ箇所や破れた金網などの指導は家畜保健所の職員さんが見回りに来られるということです。

私が近づくとバタバタと逃げ回るアヒルたち。ぐっと抱っこするとプルプルと興奮していて・・・。

子供たちとアヒル。鶏は抱っこできるけどアヒルは大きいものね。

小さい子供たちには怖く感じることも理解できました。