埼玉県久喜市用水路にいるアイガモ保護 2017/03/11
保護:投稿者久喜市民の方、あひるネットワーク軽部理事、町井さん、軽部理事お母様
先週の調査から2日後、またアイガモが姿を現したと連絡が入りました。長い水路の中を泳いで、居場所を転々としていたようです。
この水路へ降りて無事にアイガモを捕獲保護できたとしても、水路に嵌ったり上がってこれない場合は、怪我などの危険が伴うと、消防署に事情を伝え協力のお願いをしました。「協力の依頼について協議をしたが、緊急の対応を要する状況とは言えないため対応致しかねる。」との回答でしたが、姿が発見された場所まで探しに来てくださったようです。しかし、その時もアイガモの姿は発見されませんでした。
保護報告軽部理事
どうやら、アイガモちゃんが姿を現すのは早朝のようです。出来るだけ早く行こうと前日から準備しました。午前5時30分 掲示板投稿者さんから、「合鴨さん、昨日の夜から現れず 鳴き声も全く聞こえなくなってしまいました。昨日の朝は尋常じゃなく鳴いていたのに…、一応これから探しに行きます。」と連絡が。
半分 諦めかけていたところ、「みつけました!」と連絡と連絡が入り、午前7時頃 急いで出発。8時頃に到着。
アイガモは、 草の中に隠れていました。餌で寄って来るのかと思いましたがダメです。警戒して逃げてしまいます。結局、3人水に入りました。水というか泥に入りました。この泥、結構深くて長靴なんて全然役に立ちません。膝まで泥に浸かりました。
持って行ったハシゴで水路に下り、ネットを設置。町井さんと母が追い込み、ネット裏で待ち構えている私が捕まえる作戦です。投稿者さんは水路の上から棒を使って音を出して追い込んでもらいました。何度か失敗して、最後は私が(前回同様)クチバシをつかんで捕獲保護。
保護時の様子
現地で竹の棒と網でネットを作成。ネットは捕獲用ではなく、これ以上向こうへ行かないようにするバリケードとして利用したとのことです。久喜市民の投稿者さんが久喜警察署と久喜市役所環境課へ保護の報告を入れています。
インフルエンザの検査は陰性。触診、糞便検査ともに問題無し。
診察の報告町井さん
かなりおびえているものの、脱走しようとせず大人しく診察を受けてくれました。
体重は1.6㌔、抱っこするととても軽い印象です。近づくと猫のように「フー」という声で威嚇して震えていて、水もドックフードも食べません。
帰宅後、我が家のアヒルと一緒に庭に出すと少しずつ表情が和らぎ、1時間経ったくらいからやっとプールの水を飲んだり、白菜をひとくち食べたり、羽繕いをしたりしていました。病院では気付かなかったのですが、体を洗ってあげたら頭にハゲを見つけました。ケガの痕でしょうか?皮膚は治ったのか?特にキズなどは見当たりません。用水路では明け方からかなり鳴いてたようですので、今晩は鳴くのかどうか様子を見守りたいと思います。
後頭部が陥没気味なのは、以前の飼育環境に雄の家鴨がいたのだと思います。交尾時に嘴で掴まられるために羽根が無くなり、傷になってしまう場合があります。
家鴨(アヒル:白い北京ダックやアイガモのこと)の雌は鳴き声はとても大きく、ドナルドダックの「ガァガァっ!」という声そのものです。大きく太い鳴き声で、飼い主さんにご飯をねだったり、どこにいるの?と確認をするのです。飼っているアヒルの鳴き声への相談は過去にも度々ありました。
名前は「すずらん」ちゃん。
水路の中で夜遅くまで鳴き叫んでいたのも、飼い主を呼んでいたのかもしれません。飛ぶことも満足にできないすずらんちゃんは、オロオロするばかりだったでしょう。遺棄されてからの一ヶ月の間、怖い思いをたくさんしていたのだと思います。
町井さん宅へやって来たすずらんちゃんは、暗くされた寝床に入り、シートを被せると安心したのか、静かにうずくまり眠りました。
家鴨は人間が家禽化した鳥です。姿は野生の鴨に似ているのですが、野鳥の水鳥のように自由に飛び、餌を探したり、危険を避けることができません。野外で生き延びることはとても困難なのです。ペットとして迎えたのなら家族の一員ですよ、最期まで人間の元で守ってあげてください。
なぜ、新しい飼い主を探さずに野外へ放り出すのか、水路だから、水があるから、生きていけると思ったのか、どんなに汚れた下水路だったか知っていたはず。
飼うことが困難になった場合は、新しい飼い主さんを見つけてください。終生飼養の責任、飼育知識の普及、遺棄防止を改めて呼び掛けます。野外への動物遺棄は犯罪です。
宇都宮に集合。すずらんちゃんは大勢のアヒルたちに驚いて飛び出さないよう、少しの間はケージ内で。2017/06/13
年が明けてからすずらんちゃんの具合がよくありません。町井さんFBより
アイガモのすずらんちゃん、体調を崩してしまいました。すごく寒くなってきた正月頃から食欲が落ち、目がショボショボし、お腹がゴロゴロ、元気がありません。今日病院でみてもらい、抗生剤と消炎剤を服用開始、様子を見て2週間後に受診です。家ではパネルヒーターと湯タンポで温かくして安静にさせました。
庭の氷が割れないほどの寒さが堪えたのでしょうか、注意してあげないとですね。
残念ながらすずらんちゃんは虹の橋を渡っていってしまいました。2018/01/17
「もっと早く気づいてあげていたらと後悔ばかりですが、すずらんちゃんとの楽しい時間を思い出すたび、すずらんちゃんも楽しんでくれたかな、と心を落ち着かせています。明日、お別れしてきます。」