公園 陰茎脱アイガモ

静岡県清水区有東坂の公園内の池にいる雄アイガモ 2010年6月
経過観察報告者:静岡県会員ぴぃたんさん 


あひるネットワークフォームメールより下記内容で依頼がありました。

静岡市清水区有東坂の公園内の溜め池に、3羽の青首アヒルが住み着いていています。そのうち1羽が脱腸しているようで日に日に弱ってきています。
各機関に電話で相談しても取り合ってもらえず、かといって私個人では手に負えなそうなので、保護などの相談をと思いメールしました。他の2羽についても外敵に襲われる恐れもあり心配です。

→6/18の様子(投稿者の方より)

お尻から出ているものは4~5センチほどの長さでらせん状のようになっています。
常に出ていて池を泳いだりしても引っ込む様子はありません。
その状態になってから苦しそうな様子ですが、2週間たっても生きていました。
(ここ数日は様子見られず不明)

→6/20(会員ぴぃたんさんより現場観察報告)

静岡市清水区のアヒルの様子を見に行ってきました。やはり脱ペニスのようですが、弱っている感じはありません。ずっと3匹で元気に雑草や虫を食べていました。途中で池にカモが飛来すると物凄いスピードで向かって走り出し、池に飛び込んでいきました。(危険を感じたカモは飛んでいってしまいましたが)
発情して患部が飛び出た状態になっているのではなく、このような突然の興奮状態の繰り返しも原因として考えられます。

アイガモたちがいる場所は、住宅街に囲まれたため池です。池の全周に歩道があり、近隣の方の散歩コースといった感じでした。散歩している方に聞いてみましたが、アイガモ達はかなり前からいるそうです。

みんなアヒルがいることがわかっているから「車も気をつけて通っているよ」という話でした。脱ペニスは自然に壊死して取れるから大丈夫と聞いたことがありますが、どうなのでしょうか?

 


家鴨の脱ペニスについて

ペニスが出たままということは、興奮している時間が長く外部に出たままになったのではないかと考えられます。

内臓と共に体の中に入っていなければならないものが、外に出たままになっていると乾燥して壊死してしまうかもしれません。

健康上の問題はないのか?このまま野外で暮らして行けるのか?
水上先生(水上犬猫鳥の病院院長)に画像を確認していただきました。

陰茎脱とのことでした。出っ放しだと乾燥して壊死した後、脱落してしまうのですがその後、傷口からのばい菌が入ってしまう心配があると説明してくださいました。


 

→7/3(会員ぴぃたんさんより現場観察報告)

飛び出した患部よりばい菌が入り悪化してしまうことを心配し、保護を試みています。

変わらず元気な様子でした。取りあえず捕獲をして、病院で診察を受けようと思いましたが、逃げ切られ捕獲できませんでした。
前回は陸でも寄ってきて餌も食べたのですが、今日は何か感じ取ったのか、警戒心があり池の中でしか餌を食べてくれず、無理やり捕獲しようとしたら嫌われてしまいました患部の状態は、前回より短くなっていました。

前回は泳いでいると飛び出た患部が目立ち、水中の鯉に突っつかれていましたが、今回は泳いでいると見えないぐらいでした。
根元部分はまだ大きくて、気になります。完全に乾燥して取れるにはまだまだ時間がかかりそうです。
今後、捕獲を試みつつ経過観察を続けます。

→8/8(会員ぴぃたんさんより現場観察報告)

清水のアイガモ君ですが、どうやら患部の飛び出た部分が取れたようです。
(ブラブラしているので『ブラ吉』と呼んでいます)もう飛び出た患部は見えません。

暑さのためか、ずっと藪の中にいて、あまり近くからは確認できませんでしたので、
完全に取れたかどうかはわかりませんが、変わらず元気な様子でした。

引き続き、しばらく様子を見ていこうと思います。

 


元気で動けるうちに保護をして患部の治療を行いたいところでしたが、現場はかなり大きな池で、家鴨たちに捕獲保護を察知されると、その後はエサでおびき寄せても人間のいる岸や陸にあがってこなくなってしまいます。

動けなくなってしまったら治療の時間も掛かり助からないかもしれません。
大きな池での家鴨の保護は難しく、なかなか進行できない場合もあります。

保護できないとなると飛び出た患部が乾燥してカサブタになり、取れてしまうことが一番良い方法なのですが、ばい菌が体内に入り込んでしまうことが一番心配していたところです。
経過観察を続ける。