埼玉県春日部市公園にいたアヒル2羽保護

相談者:春日部市民の方
保護者:埼玉県会員笠原さん 町井さん
引き取り保護者:群馬県サポーター会員横澤さん

お知らせ内容一覧
相談内容
会員での話し合い
保護までの経過調査
一時保護
もう1羽の調査報告
アヒルたちの様子
群馬県サポート会員の元へ
費用内訳


相談内容 2023-07-15
春日部市民の方から問い合わせフォームより相談がありました

どうしたら良いか分からず、こちらをネットで見つけてメールさせて頂きました。数日前から総合公園内の池にアヒルの子どもが(白くアヒルとは分かりますが体が極端に小さい)2羽遺棄されたようで、どうしたら良いか困ってる姿が可哀想で相談させて頂きました。公園内に役場の支所もあるので、市役所の職員にも話しましたが、以前に遺棄されたアヒルが今1羽となりかなり歳なのか弱ってるものの生活出来てるなら生きられる環境なのでは?と、何も出来る事は無いとの返事でした。

1羽になったアヒルは去年のクリスマスまで2羽でいましたが、誰かに連れ去られたのでは、という噂が出てましたが本当は分かりません。ただこの池にはサギのコロニーがありそれをBB弾で撃つ輩が居るしアヒルの子供たちがおびえて、食べるものも無いのは、と思っています。私が飼えれば良いのでしょうが、それも出来ず、どうしたらいいのかアドバイスを頂けたらと思います。お忙しいところ、申し訳ありません。


その後の経過
・池に馴れてきたのか元気の無かった1羽の方も活発に動くようになってきた
・人間にも寄ってくるようになり、餌がもらえることはいいのだが心配だ
・警察や市役所公園緑地課にも相談したが、どちらからも放っておくしかないとの返答だった
・以前より公園には市役所で設置された餌やり禁止などの看板が立っている
・パンを投げてる人もいるが、心配でトマトを刻んであげてみたがすごい勢いで食べた
 

 

相談者の方には、公園にやってくるアヒルたちを見守っている方たちと、力を合わせて一旦ここから引き揚げようとの行動にはなりそうもありませんか?と確認をとっていました。そして食べ物がないお腹が空いているのではないか?との心配には、『パンは体(そ嚢という器官)に残ってしまうのでアヒルにとっては良い食べ物ではないと説明をして、水に浮くスナック菓子やおにぎりなど「可哀そうだから」といって投げ込む方も多いのではないかと思うが、野外にいるアヒルたちはご飯がもらえるときにたくさん食べて、後は水草などでしのいで過ごしている。人が来る公園内のアヒルは極度に痩せて飢えているといった状態にはならないです。』とのアドバイスを伝えました。

当初住宅事情を考えると一時保護でも難しいとのことでしたが、2羽のアヒルたちのこれからを心配して「一時保護を考えてみたい」との方向へ進行していました。


会員での話し合い

・当初連絡を受けたときコールダックかな?と思ったのですが、画像を見てみると子供アヒルですね。
・人に馴れていることは人に寄ってきて危害を加えられるケースも多く見てきた、怪我や病気をする前に保護が必要。
・保護する場合、2羽いるので複数人居ないと難しいですね。1羽保護したらびっくりして2羽目は逃げて2度と近づいてくれません。
・以前からいる1羽のアヒルのことも考えたい、この池にアヒルがいることで「仲間がいるから大丈夫」「アヒル住めるじゃん」「やっぱり大きな水場があると幸せそう」などと心無い飼い主が勘違いしないように遺棄の連鎖を止めるためにも3羽の保護を試みた方がいい。

野外にアヒルを放すということは 感染症 寿命


保護までの経過調査 2023-07-23
相談者さんと連絡を取り合い、埼玉県会員笠原さんが現地へ向かいました。

もう1羽は中之島を住処に何年も公園にくる方に見守られている様子です。相談者の方は、春日部市役所、春日部警察署へ連絡を取りアヒルたちをこの公園から保護した際にいなくなる準備を確認してくださっていました。警察署は公園緑地課へアヒルたちについて連絡を入れたようです。公園からアヒルを保護して連れていった場合でも書類も市役所への声掛けも必要無し、あくまでも行政とは無関係との内容でした。


一時保護 2023-07-30

朝から公園に向かった笠原さんより「総合公園のアヒル2羽保護完了しました!」との一報。


お手伝いに埼玉県会員町井さんも駆け付け保護の状況を見届けています。まだ1羽池にいるアヒルについても調査しました。

調査報告

『総合公園の先住アヒルについて見てきました。複数の地元の方が見守りや餌やりをしてくれていて、毎日決まった時間になると餌をもらいに中之島から出てきて陸地まで上がってくるそうです。10年くらい前から3羽でいたけれど、最近1羽になってしまってからは餌のとき以外は恐がって島から出てこなくなったようです。少し前に目が赤く炎症をおこしていたようで、左目はほとんど開いていません。右目もショボショボしていました。虫取網でいじめる親子や、犬に噛まれたという事案があったようで、見守りの方々が警察に連絡したりしているようです。

脚はしっかりしていて、自由に移動したり池に入ったりできる状態です。パンではなく、ドックフードをあげているようで、羽の色ツヤや体格は良好な印象でした。しかし、この子がいることで新たな遺棄を許してしまう負の連鎖のおそれがあること、大きな怪我や病気をする前に保護してあげて幸せな余生を過ごしてもらいたいこと、など過去の事例をあげながら地元の見守りの方にお話しましたが「皆が世話してるから大丈夫だ」「慣れたここにいるのが一番いいんだ」「連れて行かないで欲しい」と言われ保護を断念しました。投稿者さんは理解を示してくれていたので、何かあれば連絡いただける状況かなと思います。まずは中雛2羽が無事保護されて良かったです。』

健康状態は、左目失明右目もショボショボ(目をはっきり開けることができていない)。推定年齢7~8歳くらい、脚はしっかりいる。

2羽の保護時にはご飯をたくさん食べていたせいか、餌でおびき寄せようとも陸地には上がってこなかったようです。人を警戒する術を身に着けていかなければ野外では生きていけませんものね。公園へやってきた6年間見守っているという男性へ保護の必要性について伝えてみたが、毎日餌やりしている年配のご夫婦もいるので、保護しないで欲しいと言われたようです。

元々はここで孵化した(生まれた)アヒルではないのだと思います。遺棄されて取り残されたアヒルを皆さんが見守り安全な中之島を居場所にしながら長年この池に住み着いているようです。わたしたちの野外にいるアヒルの相談でも記載しておりますが、環境に適応している健康なアヒルなら、野外で暮らす野良アヒルとなってしまった今、その慣れ親しんだ場所で過ごさせるという選択肢もあります。健康で脚もしっかりしているアヒルさんですが、調査報告の両目のことが心配です。今は健康で自力で泳いだり歩くこともできますが、立てなくなったり動けなくなったときに、可哀そうな姿のまま最期を迎える日まで見守り続けられるか。「住み続けたこの場所で命を全うさせてあげたい」という強い心構えを皆さんで共有していかなければなりません。わたしたちも野外にいるすべてのアヒルを保護することはできませんが、すぐ側にいるだけに1羽だけ残しておくことが少し気掛かりでした。


2023-08-01 一時保護笠原さん宅の2羽


2羽ですが、わたくしの手から色々食べて、キョッ!キョッ!キョッ!と鳴いて甘えん坊が上手で可愛いんですよ😃


群馬県サポート会員横澤さんの元へ 2023-08-02

本日2羽の保護アヒルを里親さんにお届けしました😃幸せになっていただきたい

 

群馬県サポーター会員横澤さんより

「本日、笠原さんからアヒル2羽を無事にお迎えしました。おとなしくとても育てやすそうに感じました。これから、大切に育ててゆきたいと思います。」

2023-08-03

雄大な自然の中暮らしていく2羽のアヒルたち、雌アヒルの鳴き声(ガァガァ)でのご近所トラブルは大丈夫そうですが、獣たちから狙われそう?住宅街にはこない猛禽類も心配です。事前に今まで実際にあった外敵のトラブルなどを伝えていました 外飼いの外敵注意

横澤さんより
「アヒルは危険を感じる時は、かえって静かになるという情報、ありがとうございます。野生動物、特に夜間は気を付けないといけませんね。一晩経って、アヒル達も環境に慣れてきたようで、昨日よりも鳴くようになりました。仕事からの帰宅時には、鳴いてくれたので、親しみを感じます。

まだ、アヒル小屋は仮の段階で、今後はもっと拡張してゆく予定ではありますが、
とりあえず現段階での画像を添付しておきます。」

アヒルたちの名前は、積極的な雌アヒルにはピーちゃん、控えめな雄アヒルには羽太郎と名付ける予定だそうです。つがいで雄雌を比べると雄アヒルの方が体が大きく威厳があるように見えるのですが、アヒル特有の「ガァガァ」という大きな鳴き声を出すのは雌アヒルの方で、雄アヒルはかなぁり可愛い「クワァクワァ」となります。なのでどうしても雌が威張りんぼに見えてしまいます。行動を見ていると雌アヒルの方が卵を産むという体のしくみからか、同じ器のご飯など雄を押しのけ食べてしまう様子が伺えます。雌アヒルファースト、ですね。

2023-09-09

保護アヒル、2羽ともとても元気に過ごしております。
うちに来た時よりも成長し、おそらくほぼ完全に大人の羽に生え替わり、声変わりも終わったらしく、メス(ピーちゃん)の方は「ガアガア」とアヒルの鳴き声で鳴いています。

2024-09-15
「ぴーちゃん、羽太郎も元気に育ちました。夏に入って一時的に食欲が落ちたように見えましたが、最近はまたよく食べるようになりました。

寒冷地ですので、冬季が心配ではあったのですが、昨冬は寒い夜にも水浴びをしていたりと、寒さにも強いようすでした。

実は、あれから、さらに黒アヒル2羽を自宅で孵化させまして、合計4羽を飼育しております。」

2024-11-06
「最新の羽太郎の写真をお送りします。また、非常に残念なことに、ピーちゃんの方は、ある土砂降りの夜に、野生動物に襲われてしまったみたいです。朝確認したところ、鳥小屋の裏口ドアが壊され、近くに羽が散乱していました。そして、ピーちゃんの姿がありませんでした。

羽太郎は大きなケガもなく、現在元気に暮らしております。
鳥小屋のドアもより頑丈なものに作り替えました。」

 

埼玉県庄和公園アヒル2羽保護費用内訳


寄附のお願い

ご協力へのお礼 *ご支援に感謝致します*

収支につきましては、会計報告をご覧ください。
会計報告

「埼玉県春日部市公園にいたアヒル2羽保護」への3件のフィードバック

  1. 2羽のアヒル達も里親さんの所で幸せそうです。とてもあたたかいご支援ありがとうございました。

    1羽残っているアヒルについて
    毎日様子を朝晩、見に行ってますが、あの日、声をかけてきた男性は1度も見ていません。
    あの日、町井さんに様子を見てもらって本当によかった。あのアヒルの状態が分かってよかったです。ありがとうございました。
    今のところ中之島からも、あがってきています。

    1. 木村さん、保護の際には大変お世話になりました。日頃見守ってくださっていたおかげで怖い想いをさせずに無事に保護できたのだと思います。ありがとうございました。
      また、残っている1羽について暑い中毎日見守りありがとうございます。お忙しい中大変なことと思います。どうか無理はなさらずにご自愛ください。
      人間と一緒であひるも歳をとると今までなんてことなかった所で転んで骨折したり、ごはんを食べても痩せたりなど体調トラブルが出てきます。私の経験ですが、8歳頃に大きく体調を崩してしまう子が多いように思います。あの子にとってこれからは大変な時期でしょう。もしも保護できそうならいつでも連絡ください。大きな怪我をする前に保護してあげたいという気持ちは変わっていません。
      引き続きどうぞよろしくお願い致します。

  2. 町井さんの、あたたかいお言葉に涙が出ました。
    ありがとうございます。
    あれからエサあげしている老夫婦さん達とお話出来ました。やはり飼う事は考えてないようでした。男性とは、あれから会えずです。アヒルは日によって体調が違うように思います。またご連絡してしまうかも、しれませんが、アヒルさんの為にも周囲の人達と話してみます。

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